奥歯に白い歯は必要か?

奥歯に白い歯は必要か?

審美歯科

「笑うと金属の歯がギラリ」というのは、誰が見ても審美的ではありません。

奥歯まで、すべての歯の治療を審美的に行いたいと願う一方、治療効果が長持ちしてほしいと考えると、どういう材料が適しているのか悩むところです。奥歯の治療には、金属(金合金)が最適であるとされていました。しかし、歯と同じ色をした審美材料を望む声も多く、いろいろな材料が考案されました。それでも長期的な視野に立つと、金属に勝る材料はありません。

奥歯は、食べ物を噛んだりすりつぶしたり、全身に力を入れるときに喰いしばったりします。毎日使うものなので、高度の耐久性が要求されます。10年程度ならば、審美歯科材料でも、きちんと作れば問題となることはありません。

たとえば、セラミックで作ったインレーは歯よりも硬いため、歯と同じようには擦り減らず、10年以上経過するとすり減った歯の上に島のように突出してきます。定期健診で噛み合わせ面を少し削って合わせてあげないと、セラミックが欠けてむし歯になりやすくなってしまいます。しかし、削ると色が合わなくなり、セラミックの表面性状が悪くなって、摩耗が早まってしまいます。

しかし、金インレーは歯と同じスピードで摩耗し、自然に金属が伸びて適合するためむし歯になりにくいのです。

当院では、歯科治療をこれで最後にしてほしいと思っています。治療後15年程度で、ひょっとしたらやり直しが必要になるような材料は、あまり積極的にはお勧めしたくありません。

芸能人など、奥歯まで白い歯が職業的に望まれる場合を除いて、通常、笑っても見えない一番奥の歯は金合金をお勧めしています。笑って見える範囲に金属を使うことはありませんが、噛み合わせが変化したり、定期健診に来院できなくなったりしても大きなトラブルにつながらないよう、奥歯には状態に応じた材料を使うことをお勧めしています。

※右の写真(左側:一番奥の歯)はセラミックインレーの周りだけ摩耗し、むし歯が発生した例です。

(※病気のため、定期健診に3年間来院されませんでした。)

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