審美歯科

当院の審美歯科に対する考え方

審美歯科

歯科における審美とは何でしょうか?(社会的動物である)人間にとって、個人を認識する「見た目」はとても大切です。「美」という観念は、文化や個人の主観にも影響されますが、その根底に「健康美」という普遍的な価値観があるのではないでしょうか。

たとえば、欧米では「悪魔の歯」と忌み嫌われる「八重歯」は、日本ではあまり気にする人はいませんでした。実際、人種や食性の違いによって、軽度の八重歯は、日本人にはあまり問題を起こさなかったのです。しかし食生活の欧米化によって、近年八重歯などの歯並び異常はむし歯などの健康問題を起こしやすくなり、また、社会の国際化によって、欧米並みの審美感から、歯並び異常を「異常」とする風潮も広がっています。

当院は1986年の開業時より「健康なお口で美しい笑顔を」という診療目標をキャッチフレーズにしてきました。人類の普遍的な価値観としての「健康美」「美しい笑顔」を目標としてきたのです。

「健康美」には、その人に応じた「白い歯」、健康な「ピンクの歯ぐき」、そして「きれいな歯並び」が必要です。その上で、よく噛むことで活性化された顔面表情筋群と豊かな人生が、美しい笑顔を作るのです。

審美歯科の目標は白い歯だけではない

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白い歯は「明眸皓歯(めいぼうこうし:明るい大きな瞳と白い歯が美しい笑顔)」という美人を形容する言葉に表われるように、歯科領域の重要な審美要素の一つです。そしてきれいな歯並びも、わかりやすい審美歯科の目標となっています。しかし、健康な「ピンクの歯ぐき」も、最も重要な審美歯科の目標にするべきではないでしょうか?

歯周病は、多くの人が罹患していながら、自覚症状がないために見過ごされています。そして、歯を失う最大の原因であり、さまざまな全身的な病気に関係している病気です。歯周病に侵された赤く腫れた歯ぐきで、真っ白な美しい歯をしている方を時々見かけます。審美歯科治療を受けているようですが、歯だけに目がいってしまっているようで、まるで砂上の楼閣のようです。

当院では、白く美しい歯を目標にするのは当然のこととし、もっと大切な歯周病の治療も重視しています。歯周病のないピンクの美しい歯ぐきこそ健康美の証であり、本当に価値ある「審美歯科」の目標だと、当院では考えているのです。

奥歯に白い歯は必要か?

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「笑うと金属の歯がギラリ」というのは、誰が見ても審美的ではありません。

奥歯まで、すべての歯の治療を審美的に行いたいと願う一方、治療効果が長持ちしてほしいと考えると、どういう材料が適しているのか悩むところです。奥歯の治療には、金属(金合金)が最適であるとされていました。しかし、歯と同じ色をした審美材料を望む声も多く、いろいろな材料が考案されました。それでも長期的な視野に立つと、金属に勝る材料はありません。

奥歯は、食べ物を噛んだりすりつぶしたり、全身に力を入れるときに喰いしばったりします。毎日使うものなので、高度の耐久性が要求されます。10年程度ならば、審美歯科材料でも、きちんと作れば問題となることはありません。

たとえば、セラミックで作ったインレーは歯よりも硬いため、歯と同じようには擦り減らず、10年以上経過するとすり減った歯の上に島のように突出してきます。定期健診で噛み合わせ面を少し削って合わせてあげないと、セラミックが欠けてむし歯になりやすくなってしまいます。しかし、削ると色が合わなくなり、セラミックの表面性状が悪くなって、摩耗が早まってしまいます。

しかし、金インレーは歯と同じスピードで摩耗し、自然に金属が伸びて適合するためむし歯になりにくいのです。

当院では、歯科治療をこれで最後にしてほしいと思っています。治療後15年程度で、ひょっとしたらやり直しが必要になるような材料は、あまり積極的にはお勧めしたくありません。

芸能人など、奥歯まで白い歯が職業的に望まれる場合を除いて、通常、笑っても見えない一番奥の歯は金合金をお勧めしています。笑って見える範囲に金属を使うことはありませんが、噛み合わせが変化したり、定期健診に来院できなくなったりしても大きなトラブルにつながらないよう、奥歯には状態に応じた材料を使うことをお勧めしています。

※右の写真(左側:一番奥の歯)はセラミックインレーの周りだけ摩耗し、むし歯が発生した例です。

(※病気のため、定期健診に3年間来院されませんでした。)

歯科治療の仕上げは技工です

審美歯科

院内に最新設備を完備

歯科治療の仕上げは技工です。きれいで、機能的で、管理しやすい(人工の)歯を実現することによって、歯科治療は終了します。

現在多くの歯科医院では、歯科技工は、歯科技工所に’外注’するカタチで行われていますが、当院では、細かいニュアンスを実現するため、院長自らが技工士と協力しながら技工作業を行っています。

院内に歯科技工の最新設備が整えられており、技工室のスペースを機能的に利用するため、 一部は床下や倉庫に収納するほど、多くの機器が揃っています。また、技工士が設備を利用して’外注’も受けられるよう、独立した技工所の形態をとっています。

こだわりの歯科技工

歯科技工

長持ちする人工臓器としての’歯’を作るため、86年、当時としては珍しかった実体顕微鏡を用いた精密歯科技工を始めました。院長は、最新の歯科医学の勉強を続ける傍ら、技工士と協力して臨床に当たり、技工技術も少しずつ習得。98年には本格的な歯科技工の研修を受け、すべての歯科技工を行うようになりました。

技工士任せでは気がつかない細かい点にも配慮できるようになり、独自の斬新な技術も考案。しかし、歯科医師との二足のわらじですべての歯科技工を行っていては、患者さんにご迷惑をかけてしまい兼ねないことから、現在は再び、歯科技工士と協力しつつ最善の歯科技工を続けています。

その時点でできる最善を求めて「3度まではやり直す」というこだわりのもと、時間はかかっても’よいもの’を作って、患者さんに長く使ってもらうことを願っています。

院長は日本で唯一の歯科技工士!?

院長が歯科技工を学んだ大阪セラミックトレーニングセンターは、技工士の専門家を育てる学校。その技工士学校には、世界中から技工士が技術を学びにくるのです。そして、大阪セラミックトレーニングセンターで研修した歯科医師は、日本では当院の院長1人だけです。

そのような背景が、当院では院長自らが技工を担当し、歯の表面の細かい凹凸や、表情、線や細かい筋までを精巧に作り上げることを可能としています。

歯の補綴材料について

歯の補綴材料

治療中心の歯科医療では、歯の修復材料の違いによる治療効果の差が喧伝されています。しかし歯の修復物の機能は、材料の違い以上に、製作する職人の技術の差が大きいのです。

健康保険制度では職人の技術の差を認定しにくいため、材料の差で違いをつけるしか現実的な方法はありません。職人の手間がかかる治療法は、当然治療費が高くなりますが、だからといって、良い治療法とは限りません。たんに治療費用という金額の違いではなく、その状態に合わせた最適な材料という基準で、歯科材料を考えてみたいと思います。

1.セラミック

一般に焼き物のことをセラミックと言います。高温で焼結した金属酸化物が主成分です。

歯科では、酸化ケイ素を主成分としたガラスセラミックス、酸化アルミニウムを主成分としたアルミナセラミックス、酸化ジルコニウムを主成分としたジルコニアセラミックスなどが使われます。

ⅰ)ケイ酸ガラスセラミックス

長石や石英などを原料にした粉末(陶材)を泥状にして多層成形し、高温で焼結する、長石質陶材(ケイ酸ガラスセラミック)は、歯の色を再現するために古くから用いられてきました。歯科の審美領域では、すべてのセラミックに用いられています。

歯の色を再現しやすく審美的ですが、硬く脆い性質があり、対合歯を摩耗させたり、欠けたり割れたりする可能性があります。

強度を持たせるため、内部のフレームに金属を用いたものをメタルセラミック(メタルボンド)、ファインセラミックを用いたものはオールセラミックと呼ばれています。

ii )ケイ酸リチウムガラスセラミック(E-max)

二ケイ酸リチウムの結晶を含むセラミックインゴットを、高温で鋳造して製作した補綴物やフレームは、適合性が良く、適度の透明感があるため、インレー〜前歯の少数歯欠損のブリッジに適しています。審美的ですが、支台歯の色を多少透過してしまうため、歯科医師の技術と経験が要求されます。

iii )アルミナセラミック

酸化アルミニウムを主成分とした材料をCAD/CAMや副模型法で成形し、できあがったフレームに、ガラスセラミックを焼き付けて補綴物を製作します。

審美的で適度な強度がありますが、操作の煩雑性から、最近ではより強度の高いジルコニアセラミックに移行しつつあるようです。

IV)ジルコニアセルミック

酸化ジルコニウムを主成分とした半焼結ディスクをCAD/CAMで削り出して成形し、高温で焼結・結晶化させて製作します。

完成形まで成形し、着色・研磨して仕上げした、フルジルコニアと、フレーム状にジルコニアを成形し、表面にガラスセラミックを焼き付けたジルコニアボンドがあります。

強度が高く、適度な光の遮蔽性があるため、臼歯部のブリッジにも応用できます。

フルジルコニアは、独特の光沢があるため審美領域には適さず、又、硬すぎる材質が生体にどのような影響を及ぼすのか、長期的な経過が不明のため、注意深い観察が必要です。

又、ジルコニアとガラスセラミックは化学的に結合しない為、焼き付けたガラスセラミック部分が欠けたりはがれたりすることがあります。

2.コンポジットレジン(ハイブリッドセラミック)

セラミックの微粉末(フィラー)を混入して強度を上げたプラスチック材料を、コンポジットレジン(複合レジン)といいます。歯の色に近い審美性と、適度な強度があるため、歯の詰めものとしてよく使用されます。

補綴物用に、フィラー含有量を増やし、光だけでなく熱重合も行って強度を高めたものをハイブリッドセラミックと呼ぶこともあります。

補綴物としては、単独ではインレークラウンに、金属との併合で、上顎の補綴物全般に応用可能です。(下顎補綴物では、長期的な耐久性に問題があります。)

3.金属

歯の補綴物として必要な耐久性の条件を満たすのは、金属が一番だといえます。腐食が発生することのない、イオン化傾向の低い金属が望ましく、操作性・硬さ・耐久性も兼ね備えた金合金が最適だと考えられています。

部分入れ歯の審美歯科治療

部分入れ歯

歯の欠損が大きくて固定式のブリッジが難しいケースや、歯を削るのがもったいない場合、インプラントができない場合などは、取り外し式の部分入れ歯が治療方法となります。しかし、部分入れ歯では既製の人工歯を使う場合が多く、歯の色や形が不自然だったり、歯に固定するバネ(クラスプ)が目立ったりと、あまり審美的ではないケースが見受けられます。

また部分入れ歯は、引っ掛けてある歯に過剰な力がかかり、不潔になりやすいために歯周病を誘発しやすく、だんだん歯が抜けていってしまう、難しい治療です。

(近年、ノンクラスプデンチャーという、引っ掛けるバネのない部分義歯が多用されていますが、歯周病を誘発しやすい、最悪の治療法だと思います。)

歯科技工士は一般に、取り外し義歯専門とセラミック冠専門に分かれている場合が多く、両方の部門にまたがる部分入れ歯は、審美性と機能性、清掃性のバランスをとるのが難しいため、見た目や機能、予後の良くない入れ歯が多いようです。

当院は、歯周病の予防と治療を重視し、審美にも配慮しているので、部分義歯のバネが目立ったり、引っ掛けてある歯が歯周病になったりすることがないよう、義歯の設計に特に配慮しています。

精密な義歯の設計

精密な義歯の設計

義歯を立体的・精密に設計するために、1986年の開業時からパラレロメーターという機械を使用しています。また、1992年に義歯設計のコースを受講したあと、当時最高峰とされたドイツ製のF-1というミリングマシンを導入し、義歯の精密技工を行ってきました。これらにより、部分義歯の患者さんは何の問題もなく経過し、20年以上使われている患者さんも数多くいらっしゃいます。

精密な義歯の設計2

精密な義歯の設計

また、当院で義歯に使う人工歯(前歯)は、形・色・材質など、2088種類の中から患者さんに合わせて選ぶアメリカ製のシステムを採用しています。また症例によっては、ヨーロッパのメーカーから選択する場合や、特別に人工歯を製作する場合もあります。(残念ながら、日本製の人工歯は、審美という点ではあまり好い製品がありません。)歯に引っ掛けるバネの部分は、目立たない精密なアタッチメントを用いたり、折れにくく目立ちにくい白金加金の線鉤を用いたりします。

そして、必ず仮義歯を作って、歯並びや発音の不具合がないかを確認していただきます(この仮義歯は、本義歯完成後も保管していただき、万が一義歯を破損したり紛失したりしても困らないように備えていただきます)。

当院で部分入れ歯や総入れ歯を作られた患者さん(特に女性の方)には、口元が若返り、歯がキレイになったと喜ばれる方がとても多くいらっしゃいます。入れ歯であることが気づかれにくいため、15年以上ご主人にさえ内緒にしている患者さんもいます(入れ歯を入れたまま歯を磨くことができるよう、特別な設計をしてあります)。

歯の技工について

歯の技工について
●本物と見間違えるレベルの技工術

歯の技工術におきましても、一切妥協を許さない姿勢で取り組んでいます。当院の院長は、自ら歯科技工を学び、現役の技工士としても活躍しています。

※右記は、実際に院長が作成した歯の写真です。このように優れた義歯が作れるのも、自費診療ならではです。

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