歯を残すために神経を抜かない
「冷たいものがしみる程度」の段階で適切な治療を行えば、歯の神経(歯髄)をとる必要はありません。歯の痛みは、むし歯が進行して歯髄炎になると生じるものなので、夜眠れないほどのズキズキとした激しい痛みが生じている場合は、すでにむし歯が進行し、歯髄炎になってしまっているケースが多いようです。
歯髄炎は、細菌感染によって歯の中の歯髄が炎症を起こした状態です。その結果、炎症による圧力で神経が圧迫されて痛みが生じます。歯に穴をあけて圧を逃がして痛みを取ったあと、強力な抗菌剤で除菌し、うまく保護層を作ることができれば、歯の神経は保存できます(レストトリートメント)。
ただし、感染が進み、レストトリートメントで歯髄の保存ができない場合には、歯髄を除去する必要があります。
一本一本の歯の中には血管が通っていて、血が流れ、生きています。よく「むし歯で歯の神経を取った」という話を耳にしますが、その治療によって歯は殺され、「立ち枯れの木」のように虫が食いやすく、いつ倒れてもおかしくない状態となります。
神経を失った歯でも、しばらくの間は歯としての機能を果たせますが、どうしても根が割れやすくなってしまいます。歯根破折を起こすと歯としての機能が保てないので、最終的には抜歯となります。一生自分の歯で過ごしたいのであれば、できるだけ歯の神経は取らないことです。
※ちなみに、2006〜2011年の5年間、ウエダ歯科で歯の神経を取ったケースは、年間5本以下でした。
この神経、うまく取れると思いますか?
歯の神経は一本の糸のようなものではなく、複雑な枝分かれをし、曲がりくねってもいます。また、神経を取ると、しみるといった症状(感覚)がなくなるため、治ったと誤解する患者さんが多いのですが、神経を取ったあとの根の治療(根管治療)こそが重要なのです。
複雑な形状の神経は、末端まで残さず取ること自体も大変ですが、取ったあとには、歯としての機能を永続させるために、神経の入っていた空間(歯根管)の中をくまなく消毒し、長持ちする材料で埋めなければなりません。
こういった工程を、レントゲンを頼りに指の感覚だけで行う治療(根管治療)は、高度な技術と根気が必要です。
当院では、マイクロスコープおよびていねいな治療により、精度の高い根管治療を行っています。ほかの歯科医院の手抜き治療のやり直しは、古い薬を取ることから始めるため、通常以上に大変な作業となります。こういった、複雑かつ重要な治療は、最初から信頼できる歯科医院で受けられることをお勧めします。
根管充填
根管系に隙間を残さないように薬を詰めることを「根管充填」といいます。詰めるのは、海底ケーブルにも使われた耐久性の高いガッタパーチャという天然ゴムを主体とした材料です。根から外に押し出さないよう留意しつつ、隙間が残らないように加圧充填し、レントゲンで結果を確認します。
難しい治療のため、高度なテクニックと十分な経験を持ってしても「100%うまくいくとは限らない」のも実情です。しかし、当院における25年間のトータルアベレージは85〜90%です。経過が芳しくないケースに関しても、レントゲンでしっかり経過観察し、十分なケアを行いますのでご安心ください。
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当院では、患者さんの将来も見据えたオーダーメイドの治療計画で、根本的に歯の健康状態を改善します。
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